予防接種を受けましょう
予防接種(ワクチン)は、各種のウィルスや細菌に対して免疫を持っていない、あるいは不十分な人に対して、感染予防、発病予防、重症化予防などを目的として行われるものです。世に存在するさまざまな病原体のうち、重症化すると命にかかわる感染症、あるいは蔓延しやすい感染症の予防および根絶のためにワクチンは開発されています。接種可能なワクチンは、適切な時期に接種することをお勧めします。しかしながら、すべてが公費負担の対象(定期接種)とはなっていません。一部のワクチン(任意接種)は自費となります。
国立感染症研究所および日本小児科学会の推奨するワクチン接種スケジュールに準じて接種を行っていきます。公費対象期間を過ぎてしまっても接種をすること自体は可能ですが、前額自己負担になりますので、ご注意ください。
小児および成人の予防接種の詳細は、予防接種スケジュール等をご覧ください。
なお、公費のワクチンは、板橋区外でも都内23区にお住まいの方は、「予防接種予診票」の使用が可能ですのでぜひご利用ください。
患者様のご年齢に合わせた接種スケジュールについてアドバイスします
ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。生ワクチンは、菌やウィルスを弱毒化して開発されたもので、自然感染に近い状態で免疫をつけることができます。一方不活化ワクチンは一度無毒化されており、体内で菌やウィルスを増殖させるわけではないために、免疫を維持させたい期間によって複数回の接種が必要となります。
当院では同時接種を行います。ご希望の方は1本ずつの接種ももちろん可能です。接種したワクチンに生ワクチンが含まれる場合は中27日以上空けなければ次のワクチンを接種することができませんので計画的にワクチンを接種しましょう。当院ではおひとりおひとりにワクチンの接種スケジュールを確認し、至適時期に接種が済ませられるようにすすめていきます。
ワクチン接種当日のお願い
体調のよいときに受けましょう。ステロイドの内服、輸血やガンマグロブリン製剤などの治療後は、ワクチンの接種時期について配慮が必要です。またけいれんやアレルギー反応が生じた直後や手術直後もワクチン接種には向いていません。当日だけでなく接種予定の2~4週間前までの気になる症状は必ずお伝えください。また慢性疾患で大学病院などに通院中でも、状態が落ち着いていれば接種が可能ですが、その判断は医師に委ねられます。必要な情報は当院と共有させていただきますよう、お願い申し上げます。
ワクチンの接種部位は両手(上腕)、両足(下腿)になります。着衣しやすく、診察しやすい格好でいらしてください。ロタウィルスに対するワクチンは内服になります。受診予定の1時間前に授乳を終えていらしてください。十分お時間に余裕をもっていらしてください。当院2階には接種後にもゆっくりくつろいでいただける広場をご用意しております。
子宮頸がんワクチンについて
女子 小学校6年生から受けられます。1回目の接種日が15歳の誕生日の前日までの場合、2回接種(6か月の間隔をおいて2回)です。1回目の接種日が15歳の誕生日以降の場合、3回接種(2か月の間隔をおいて2回行った後、1回目の接種から6か月の間隔を置いて1回)接種です。自己負担額なしでシルガード9 (9価)が受けられます。
男子 小学校6年生から高校1年生相当の男性は、自己負担額なしでガーダシル(4価)を接種することができます。本人か保護者が区に申請して、予診票を発行してもらってください。開始年齢を問わず、3回接種(2か月の間隔をおいて2回行った後、1回目の接種から6か月の間隔を置いて1回)となります。
渡航ワクチンについて
各国への渡航ワクチンのご相談は自費で3,000円(相談料)としていただいております。
ご自身で、接種履歴と渡航先に合わせた接種スケジュールを把握されている場合は、相談料はいただいておりませんので接種すべきワクチンを、お気軽に窓口でご予約ください。
英文でのワクチン接種証明も承っております。
成人のワクチン接種に対応します(要予約)
肺炎球菌ワクチン
肺炎は免疫力が低下している高齢者や基礎疾患をお持ちの方などに発症しやすく、感染の原因となる病原体(細菌やウイルス など)も様々ですが、成人が発症する肺炎の多くは肺炎球菌と言われています。そのため多くの自治体で高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種は公費が一部助成となっています。65歳の方、ほか対象者となる方はできるだけ接種するようにしてください。また対象者以外の方が接種することも全額自己負担とはなりますが可能です。
この肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎に罹りにくくなるほか、万一感染してしまった場合でも重症化を防げるようになります。なお同ワクチンは接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出ることがあります。再接種をされる場合は、5年以上の間隔を空けるようにしてください。
風疹ワクチン
風疹は幼児から小学校低学年の児童に多く発生することでも知られていますが、最も注意しなければならないのは、妊娠中の女性が感染してしまうケースです。胎児に垂直感染してしまうと、その子が難聴や心疾患、白内障、発達障害などの障害をもって生まれる可能性が非常に高くなります。妊娠中の女性には風疹ワクチンを接種することができません。そのため、妊娠を希望されている女性は、妊娠前に風疹の抗体価チェックを行い、抗体価が低ければ予防接種を受けられることをお勧めします。最近は成人男性の感染者が急増しており、現在40~50代の男性は風疹ワクチンの予防接種を受けてこなかった世代のため風疹の抗体陰性者が多いと考えられています。
第5期麻疹風疹ワクチンは、昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性に対する追加対策としての定期接種であり、風疹抗体検査、風疹ワクチン接種が無料です。とくに妊娠中のパートナーがいる、知り合いに妊娠中の方がいるという場合で風疹の抗体が無いという場合は、ぜひ一度、抗体検査を受けるか風疹ワクチンを接種するようにしてください。
B型肝炎ワクチン(ヘプタバックス)
医療従事者を含む任意接種(自費)を承っております。HBs抗体価の事前チェックも自費で可能です。HBs抗体を獲得するためには、1回目の接種から4週間隔で2回目、1回目の接種から20~24週後に3回目の接種を行います。
帯状疱疹ワクチン(シングリックス)
50歳以上の板橋区民は、助成を受けられます。シングリックス1回あたりの接種費用(当院では1回22000円)から助成額10000円を差し引いた額を窓口でお支払いいただきます。
高齢者RSワクチン(アレックスビー)
60歳以上の成人の方が対象です。いまのところ助成はありませんので、全額自己負担(金額は窓口にお問合せください)となります。RSウィルスによる急性呼吸器感染症の予防および重症化防止に有効です。呼吸器疾患や心疾患などの持病のある方、お孫さんと同居されている高齢者の方などはぜひご検討ください。
任意接種の費用
インフルエンザ(3歳未満) 2回接種 |
2,500円 (1回あたり) |
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インフルエンザ(13歳未満) 2回接種 |
3,000円 (1回あたり) |
インフルエンザ(13歳以上) 1回接種 |
4,000円 |
インフルエンザ(65歳以上) | 無料(用紙をご持参ください) |
おたふくかぜワクチン | 4,500円 |
子宮頸がんワクチン ガーダシル(1回分) ※要3回接種 | 17,000円 |
子宮頸がんワクチン シルガード9(1回分) ※要3回接種 | 28,000円 |
日本脳炎ワクチン | 8,000円 |
2種混合 | 4,500円 |
肺炎球菌ワクチン (プレベナー13) |
14,000円 |
肺炎球菌ワクチン (ニューモバックス) |
8,000円 |
B型肝炎ワクチン10歳未満(1歳未満の方はお問合せください) | 4,500円 |
B型肝炎ワクチン10歳以上 | 5,000円 |
Hibワクチン | 11,000円 |
不活化ポリオ(単回接種) | 10,000円 |
3種混合(単回接種) | 5,000円 |
不活性ポリオ+3種混合 (単回接種) |
13,000円 |
BCG | 9,000円 |
麻疹風疹(MR)ワクチン | 9,000円 |
水痘ワクチン | 8,000円 |
4種混合 | 13,000円 |
A型肝炎ワクチン | 8,000円 |
狂犬病ワクチン | 18,000円 |
帯状疱疹ワクチン(シングリックス)※2回接種 | 22,000円(1回あたり) |