川崎病とは

川崎病

1967年、川崎富作先生によって発見された病気です。川崎病は特に4歳以下の乳幼児に発症することが多く、毎年1万人以上の子どもがかかっているといわれています。下記の症状が同時にみられる場合は受診してください。無治療の場合、約20~30%の患者様に心血管後遺症が発生するといわれています。具体的には心臓を栄養する血管である冠動脈の拡大または瘤(こぶ)の発生で、程度によっては、心筋梗塞や突然死の予防のため長期的な内服薬の使用や運動制限などが必要となります。そのため、しっかりと症状および経過を見極めつつ、適切な治療をおこなうことが重要です。種々の治療法が確立された現在でも2~3%に心血管後遺症を認めるといわれています。

川崎病の原因

いまだにこの原因は解明されておりません。

川崎病の主な症状

上記6つの症状のうち、5つ以上が当てはまると川崎病と診断されます。しかし4つあるいは3つしか当てはまらない場合も(不全型と呼びます)、他の病気が否定される場合は、川崎病と診断されることがあり、この場合も心血管後遺症合併する可能性があるため、同じ治療が必要となります。

診断と検査

まず問診と診察で症状を確認し、血液検査で炎症の程度や合併症の有無を調べます。さらに、超音波(エコー)検査で心臓や冠動脈の状態を調べ、心電図検査で心臓の筋肉に異常があるかどうかを調べます。また、症状が4つ以下でも、川崎病の疑いが強い場合には検査を行い、川崎病と診断することもあります。当院で川崎病と診断した場合は、下記の治療法が必要になりますので、連携医療機関にご紹介いたします。

主な治療法

冠動脈瘤の発症を防ぐためには、発症からなるべく速やかに薬物治療で血管の炎症を抑えることが大切で、アスピリン療法(内服)とガンマグロブリン療法(点滴静注)とを行っていきます。

アスピリンは、血管の炎症を抑えたり、熱を下げたり、血栓ができるのを防ぐ効果があります。内服薬であり、退院後も2か月程度は自宅で服用を続けます。副作用として出血時に血が止まりにくくなることがあります。

ガンマグロブリン療法は免疫グロブリンという血液製剤を点滴静注する方法で、川崎病の血管炎の炎症を鎮める効果があります。約24時間かけて点滴で注入し、投与後も慎重な熱型の経過観察が必要です。

入院は治療経過にもよりますが約2週間程度必要になります。退院後の経過観察は再び当院で行うことが可能です。その際は入院の経過を担当医に記載してもらい紹介状をご持参のうえ、来院ください。

治療後について

合併症などが起こらず順調に退院できたときでも、その後約2か月は継続して薬を内服していただき、1か月に1度は変わった様子はないかどうか診察する必要があります。その後は半年~1年に1度の定期検診のみ受けていただきます。後遺症がなければ運動制限なく生活できます。