起立性調節障害とは

起立性調節障害

自律神経のバランスを崩した結果、たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状が特に午前中に強く起きる病気です。思春期の一時的な生理的変化と考えられてきた時期もありましたが、現在ではこの症状が原因で学校に行けなくなる(不登校)状態が長期化し、問題視されています。日本では小学生の5%、中学生の10%程度がこの病気にかかっているとされています。

起立性調節障害の主な症状

起立性調整障害の原因

前述の通り起立性調節障害は自律神経のバランスが乱れることにより生じると考えられています。保護者様がお子さまの症状にたいし、「気持ちが怠けている」と捉えられているケースがありますが、そうではありません。これは体の病気であるということをお子さまとともにまず認識することが治療の第一歩です。

診断と検査

起立性調整障害が疑われた場合は、起立負荷試験を行います。
仰向けに寝て血圧の流れを測定する検査で、横になったときと立ち上がったときの血圧と脈拍そして心電図の変化をみる検査です。まず10分間横になり、血圧と脈拍を測定します。その後、立ち上がると、血圧は一旦下がってから回復しますが、起立後10分までの脈拍、血圧の変化を調べていきます。その結果、「血圧低下の程度が強い」、「脈拍がとても速くなる」、「特殊な心電図変化がでる」などに該当する場合は、起立性調節障害と診断されます。 症状の内容によっては、他の循環器の病気が原因の可能性もあるため、胸部エックス線やホルター心電図、心エコーなどを追加で行うことがあります。

治療について

問診や起立試験などによって起立性調節障害と判定された場合、原因となっている自律神経の乱れを整えることを目的とした非薬物療法を行います。

非薬物療法では姿勢の工夫や水分補給、生活リズムの調整などがあります。夜更かしや朝寝坊をしないよう生活パターンを改善し、バランスのとれた食事や適度な運動を取り入れるなど、規則正しい生活習慣を身につけ、体内時計の狂いを改善することが大切です。
非薬物療法で改善しない場合は、薬物療法の併用を検討します。