2024年の年の抱負に「少なくとも2か月に1度はブログを更新する」と書いたのに、気づいたら、なんと5か月ちかくもブログの更新を怠ってしまいました。歳を重ねる度に、1年の経つスピードが上がっていく気がして、恐ろしく感じます。
先日の夕飯時、小学生の息子がこんなことを言っていました。「いまね、学校でマイプラがはやっているんだよ。」と。「ほ~う、Nintendo switchのスマブラならぬ、また新しいソフトのおねだりかな?」と半分無視するつもり聞いていたところ、「〇平や〇汰、☆子や美☆、公◇や大〇も、み~んなマイプラで、7~8人休んでいるんだ。」と言います。なんと、マイコプラズマ感染症を略して、子どもたちがそう呼んでいるらしいのです。子どもの口から飛び出すマイプラは、まるで手でつまんで簡単に放ってしまえそうな、無責任な響きを含んでいる分、なんだか笑えます。気楽な子どもたちが(うちの息子だけだったらすみません!)感染症という敵に負けないように、これからも応援したいと思います。
さて、今回選んだテーマは、「トイレトレーニング」です。働く母として臨んだトイトレの思い出は、保育園の先生にずいぶんお世話になったことばかりだからこそ、自分の子どものうんちやおしっこの洗濯くらいはと、心を無にして頑張っていた記憶がよみがえります。
内容は以下の通りです。
・開始時期
・紙おむつ vs布おむつ
・トイレトレーニングの方法
・自立したのにオムツへ逆戻りしたときは
・親の心構え
【開始時期】
何歳になったら、始めましょう。という明確な決まりはありません。家庭環境や国の文化も影響しますが、なにより大事なのはお子さんの発達に合わせて始めるということです。性別では女児のほうが男児よりも2~3か月自立が早いといわれています(排尿は女の子が2歳半、男の子が2歳11か月、排便は女の子が2歳7か月、男の子が2歳11か月)。お子さんに下記の様子が現れたら、始めてみましょう。 2歳から3歳くらいの間に始めるのが一般的と思います。お子さんの発達を無視してあまり早く始めると、自立に時間がかかることがありますので注意が必要です。
- オムツが1~2時間ぬれていない時間がある
- おしっこしたい、うんちしたいという、サインをしめす
- 簡単な指示に従うことができる
- トイレまで歩いていき、自分で服をぬぐことができる
- 濡れているオムツを嫌がり、変えてほしいと要求する
- おまるを使いたいと要求する
- 大きい子ども用の下着を着用したいと望む
【紙おむつ vs布おむつ】
紙おむつを選択される方が多いのは知っていますが、トイレトレーニングとなるとどっちがいいのか、なんて話題にもなりますね。実際には、どちらかのほうが自立が早いということはないようです。ただし、開始時期のところで書いた、「オムツが1~2時間ぬれていない時間があるかどうか」という判断は、布おむつのほうがしやすいでしょう。そして、おむつが濡れたときに、「無意識のうちにおむつにしてしまったことがおしっこなんだ」ということを体感をとおして理解するということは、布おむつのほうが簡単かもしれません。日本のおむつはとにかく優秀で、1回少しおしっこしたくらいでは、「さらさらいつも快適」。とはいえ、子育てで両方使用した経験からは、布おむつは準備が大変なので、紙おむつで十分だと思います。オムツの色変化で排尿は分かるから、わざわざトイレトレーニングのために、布おむつに変更する必要はありません。
【トイレトレーニングの方法】
- まず最初に、子どもと一緒にお気に入りのおまるを選びましょう。トイレに行くのが楽しくなる、使ってみたい、そんな気分になったらいいですね。大人が使うトイレでは、流す音や吸い込まれる様子が怖いと思う子もいるでしょう。
- おむつが濡れていない1~2時間をみつけたら、トイレに誘ってみます。誘うときは、子どもの生活リズムに配慮します。遊んでいる最中など、なにかに熱中しているときは、無理に誘いません。おやつの後、お昼寝の前、など生活の流れを考えて誘いましょう。
- トイレでは「排尿の3感覚」を体験させましょう。尿がジャーと出た「放尿感」、おまるに溜まった尿を目で見て確認する「視覚的認知」、そして母親や保育者の「おしっこが出たね」という声掛けを耳にする「聴覚的認知」が同時に体験できるように援助します。排便のときは、「ウーン、ウーン」と声掛けをすることによって、いきみから排便を意識化させます。
- トイレに誘って、2回に1回くらいはおまるで排尿できるようになったら、日中のおむつをはずしてみましょう。
【自立したのにオムツへ逆戻りしたときは】
例えば、下記のような近況はないでしょうか?
- 保育環境がかわった
- 母親の妊娠、あるいは兄弟の出生
- 子どもまたは家族が重病を患っている
- 死別
- 夫婦間のいさかい、離婚
- 新しい家への引っ越し予定または最近の引っ越し
いずれも思い当たらない場合は、一度かかりつけの小児科医に相談してみましょう。病気を発症していないか、念のため診察が必要なこともあります。
【親の心構え】
うまくいかなくても、あせらずに、おこらずに、とにかくこの時期をたのしみましょう。トイレトレーニングを通して、手洗いも一緒に教えられるといいですね。ちゃんとおまるで排尿できたら、やさしい笑顔で一緒によろこんであげてください。保護者の方の笑顔が、何よりも子どもをやる気にさせます。
トイレトレーニングの道のりは、ちょうど、いやいや期と重なったり、次子の妊娠と重なったりで、平坦でないかもしれません。
さて、家族で一丸となって成し遂げる課題に立ち向かうとき、お子さんはどんな様子をみせるでしょうか?意外に頑固なのか、とてもやる気なのか、どんなリアクションをしましたか?わが道を行くのか、お友達を気にするのか、どんな個性を感じましたか?
トレーニングの道中で、わが子のまだ知らない一面を垣間見ることがきっと、新たな子育ての課題を乗り越えるひとつのヒントになることでしょう。
参考文献
- 二木 武・帆足 英一 ほか編 新版 小児の発達栄養行動―摂食から排泄まで/生理・心理・臨床― 医師薬出版株式会社
- Diane M. Howell, MD et al. Toilet Training Pediatr Rev (2010) 31 (6): 262–263.
- Potty Training – HealthyChildren.org